カオマンガイ
19歳でタイのことが無性に好きになって以来、何度も足を運び、
暗号のようなタイ語にすら魅了された学生時代
好きな理由は色々あったはずだけれど、改めて気づいたのは、
この国のじっとりとした暑さのなかで漂うニオイが好きで
それだけでなんだかホッとするということ
立ち並ぶ麺屋から沸き立つもわっとした甘いスープの香り
ココナッツが入ったおこわや南国フルーツの独特の甘い香り
どこからともなく漂ってくる甘辛い料理のニオイ
アジアの香りは、大抵一緒なのではないかと思っていたけれど(心なしか生臭い)
この甘くて辛くて酸っぱいような香りはベトナムにはないと思う
そして、「カオマンガイ」と象さんのビール(計250円)さえあれば
しばらく幸せな気分になれるということも 思い出した
そんなカオマンガイだけで勝負する屋台で今回初めて知ったこと
カオマンガイにもカスタマイズがあること
普通に注文すると、鶏皮がキレイにはがされるけれど(残念…)
通の男たちは、皮付き&レバー付きで頼み、
さらには、痺れる辛さの特製タレにさらに生姜・唐辛子を足してアクセントを加え
充実した表情で それをとても丁寧に 時間をかけて食していた
奥深いカオマンガイの世界—
1ヶ月で約110時間の空の旅という妙な日々を終え、ホーチミンでの日常へと戻る
相変わらず無駄に鳴り響くクラクション
排気ガスで淀んだ空気、カラフルなネオン
それでもなんだか、心落ち着く場所にやっと帰ってきたという新鮮な気持ち
今日からまた 一歩一歩