みなさん、いっしょに
ベトナム人は歌が大好き
特にちょっとロマンチックな、きれいな歌謡曲調が好き
タクシーの運転手、スーパーのレジ打ちのお姉さん、その辺にいる人
みんな、気づくと鼻歌を結構なボリュームで歌っているし
お祝い事やお葬式の時も、夜中まで大カラオケ大会が繰り広げられる
(このカラオケはまさに「ジャイアンリサイタル」という表現がピッタリなことも多い)
今日の日本語のクラスでも、突如マイクを持って彼女は熱唱を始める
なつかしい 「君がくれたもの」 をとても流暢な日本語で
他の人がその歌を知っていようがいまいがお構いなしで(勿論知らない)
「みなさん、いっしょに!!」とこっちに笑顔でマイクを向けている
すごいパワーだ… でも悪くない
気づくと他の人も歌詞カードを見ながら何となく歌い始め
歌い終わると盛大な拍手
このよくわからない不思議な盛り上がり
その後、数人でカフェに行くと、一人が日本語の歌をいくつか紹介してくれ、
みんなで再び歌い出す
・ドラえもんの歌
・ねずみは米が好き
・ルージュ
・I Love you
・桜色舞うころ
一体これは誰のチョイスなのだろう といつも思うけれど、
「ルージュ」はよくベトナム語の先生が歌っている
90年代後半に、アジア一帯でとても流行ったらしい
“歌詞の意味はわからないけどネ”と言いながら、
「口をきくのがー うまくーなりーましたー
どんなー酔いしれたー 人にでもー」 ともう何度聴いたことか
この歌はベトナム語バージョンもあって、実はこれは私の今月の宿題である
ちなみに、ベトナム人は「距離が近い」 とよく言われる
私も会社などで散々同じことを言われてきたけれど、その私よりも俄然近い
いつも気づくとピトッとくっついているし、
知らない人でも数秒後には互いの家族や仕事のことを知り合っている
この近さが、きっと心地よさの一つの要因なのだと思う