あの頃の話

1975年前後に何があり、その時その人は何をしていたかー

この街にも様々な立場の人がいるだろうこともあり

こういう話は少し聞きづらく、ふだんの会話の中ではほぼ登場しない

若者達はその頃の話すら知らない人が増えている ともいう

 

そんな中、とあるカフェで隣に座ったおじさんが、

突如その頃のことを流暢な英語で、一時間に渡って話してくれた

 

日本軍がかつてベトナム、東南アジアでやったこと

両親はかつてフランスに仕えていたから、共産党政府に殺されたということ

それもあり、この街のことを絶対にHo Chi Minhとは呼ばないこと(Saigonと呼ぶ)

南ベトナム政府軍にいたので、戦後、25歳でカリフォルニアに渡り、

バージニア州の難民キャンプに入り、その後大学で学び、就職し、

今子どもはアメリカ政府機関で働いていること

リタイア後、バージニアの冬を避け、一時的に友や親戚を訪ねていること

でもこの国には住みたくないこと

 

「この国では人々は言葉の自由を持たず、政府批判をするとすぐ逮捕される」

と言いながら、英語とはいえ痛烈にcommunist批判をする姿に若干ヒヤヒヤし

時折ヒソヒソ話を交えた

 

100万人超いると言われる在米ベトナム人にも色々な考えの人がいるだろうけれど

恐らく在米ベトナム人の中でも成功者に属する人の、ひとつの目線

彼のフィルターを通して見てみると、

いつもの賑やかなカフェの風景、人々の姿がまた少し違って見えた